Columns女医監修 女性のお悩みコラム
デリケートゾーンの「黒ずみ」はなぜ起こる?!
<医師に聞いたNGケア>
皮ふや髪の色が人によって違うように、デリケートゾーン(外陰部)も一概に「正しい色」というものはありません。そもそも外陰部にはメラニン色素が多く存在するため、黒ずみやすい部分ではあるのですが、生活習慣などが原因で肌に変化を与えることも。ここでは黒ずみが発生する原因やケア方法についてご紹介します。
黒ずみのメカニズム
黒ずみとは、皮ふへの繰り返しの刺激によってメラニンが生成されて起こる、色素沈着のことです。
<メラニン生成のしくみ>
摩擦などの刺激を受けるとメラノサイトがメラニンを生成し、メラニンを周囲の細胞に送り出します。
黒ずみの原因
●摩擦や刺激
下着による摩擦や締め付け、生理用ナプキンのムレ、皮ふの炎症による刺激が黒ずみの原因になります。また、肌が乾燥していると刺激を受けやすくなるので、さらにリスクは高まります。
●ホルモンバランス
女性は月経周期や妊娠・出産によってホルモンバランスに変化が起こるタイミングが多いため、黒ずみが発生しやすい傾向にあります。また性行為ができる年齢になるとホルモンの分泌が増加し、同時に皮ふの色に変化が現れやすくなります。自然な現象なので、心配しすぎることはありません。
ただ、生活リズムの崩れやストレスは、ホルモンバランスの乱れに繋がるので注意しましょう。肌のターンオーバーに影響し、メラニン色素の排泄がうまくいかなくなります。
●毛の処理方法
カミソリや毛抜きでの剃毛など肌へのダメージを受けやすい処理を続けると、黒ずみのリスクを高めます。
<注意>
こすりすぎや刺激の与えすぎで、皮膚が分厚く(肥厚)なったり、クロではなくて逆にシロ抜け(色素脱出)という状態になったりすることもあります。
おすすめの予防方法
●保湿ケア
乾燥は大敵。自分に合った保湿剤を選んで保護&保湿を!もっとも手軽で、効果が高い方法です。
●正しく洗う
デリケートゾーンを清潔に保つことは重要ですが、ごしごし洗いや過度な洗浄は肌を傷つけ、黒ずみの原因にもなり最悪です。指の腹を使ってぬるま湯で優しく洗いましょう。洗った後は保湿を忘れずに。ただし熱いお湯は必要な油分まで流れて乾燥してしまうので注意!
●適切な下着の選択
下着の素材やサイズにも注目しましょう。肌当たりのやさしい綿(コットン)や、ムレにくく通気性が良い素材を選ぶことで、肌に良い環境を与えます。
●脱毛方法の見直し
脱毛する場合は、肌に負担の少ない方法を。自己処理よりもクリニックの医師やエステの専門家と相談しながら施術してもらうことをおすすめします。
●生活習慣の見直し
上記でケア方法をいくつか挙げましたが、健康がすべての基礎です。不規則な生活、偏った食事、ストレスの溜めすぎは避け、心身ともに健康に生活しましょう。タンパク質やビタミン類の摂取もお肌の健康におすすめです。
<教えて!黒ずみQ&A>
Q.黒ずみって体に害はあるの?
黒ずみが健康に悪影響を与えるという証拠はありません。ただし、かゆみ、痛み、炎症などの症状を引き起こしている場合は、医師に相談することをおすすめします。
Q.黒ずみを薄める方法ってあるの?
美容皮膚科でのレーザー治療や外用薬治療などによって、黒ずみを改善する方法もあります。効果は人によって違うので、信頼できる医療機関に相談して決めましょう。また、年齢とともにホルモンの分泌が落ち着くと、徐々に薄くなっていくといわれています。
Q.“ピンク色”や“肌色”が正しい色?
冒頭で述べたように、外陰部の色は人によって違うため、正しい色を求めて気にしすぎることはありません。しかし成人向けコンテンツではピンク色に描写されることが多く、自身との違いに不安になる人も多いようです。しかし知っていただきたいのは、体質によって違いがあるのは当然で、基本色は無いということ。そのため「ピンク色=正しい色」、「ピンク色以外は黒ずみ」と考えるのは誤りです。
- まとめ
- 外陰部の皮ふの色は自然なものであり、美しさの指標ではありません。それよりも清潔を保ち、適切なケアを行うことで、自分らしく健康的に過ごすことが大切です。
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[コラム監修]
二宮典子 先生
NINOMIYA LADIES CLINIC 院長。
泌尿器科専門医・指導医。漢方専門医。女性泌尿器科医として、女性の排尿や生殖(セックス)にまつわる様々なトラブルの治療・サポートを行っている。