Columns女医監修 女性のお悩みコラム
専門医に聞く!生理中のかゆみ・かぶれ
【原因と対処法】
なぜ生理中にかゆみやかぶれ等が発生するのか。
生理中は、洋服へ気を遣ったり、お腹や腰の痛みや重み、頭痛などの体調変化も多く、気分が落ち込みやすくなったりする時期です。
そのためいつもの自分らしく生活するのが難しくなりますよね。
そして、その中でもデリケートゾーンのお悩みは人には相談しづらいもの。
生理中に「かゆみ」や「かぶれ」等の肌トラブルが起こっても、一人で悩んでいる女性も多いのではないでしょうか。
- 月経中の「かゆみ」「かぶれ」の主な原因
- 日常的な洗いすぎ
- 月経前からのかゆみ
- 生理中の『ムレ』
- 生理用品があっていない『かぶれ』
日常的な洗いすぎ
現代の生活は、清潔な水や使い捨ての衛生用品に溢れています。
私たちは毎日、清潔なたっぷりのお湯で体を洗うことができます。洗うときには洗浄剤を使用します。また、トイレの後は使い捨てのトイレットペーパーで陰部を拭き取ります。人によっては、トイレの時にウォシュレットも使用している人もいるのではないでしょうか。
これらの行動は、陰部を清潔に保つことができる一方で、体が自分を保護するために覆っている皮脂や表皮を剥がす行為になっています。
陰部は体の中では、最も角質がうすい場所のため、いつもの行動が陰部に細かい傷を作っている可能性があるのです。この細かく作られた傷が、生理の時に感じる「かゆみ」「かぶれ」をさらにいっそう悪化させます。
月経前からのかゆみ
月経中にかゆいと思われていることも多いですが、実はホルモンバランスの変化で陰部に痒みが出現するのは月経前からということが知られています。
月経前にかゆくなるのは、陰部の内側。さらに、このかゆみは強いストレスがかかると悪化します。
生理中の『ムレ』
生理中の「かぶれ」や「かゆみ」の原因のひとつとして『ムレ』があげられます。
長時間座ったままの状態が続く授業中・オフィス業務、部活など大量に汗をかいた時や、夏場の暑さからの汗。そのような状態で長時間同じナプキンを使用していると、デリケートゾーンの湿った状態が続き『ムレ』が生じます。ナプキンに吸収されない経血や汗、さらにそれを栄養として繁殖した雑菌などが肌を刺激することで「かぶれ」、そのかぶれが「かゆみ」の原因となります。お肌の弱い方は特にトラブルが起きやすいと言われています。
生理用品があっていない『かぶれ』
その他の原因に、生理用品が自分の体質にあっていないことがあげられます。皮ふに直接触れる生理用品があっていないなら皮ふがかぶれるのは当然です。自分の肌に合った生理用品を選ぶようにしましょう。
「かぶれ」や「かゆみ」が出てしまったときの【対処法】
- 入浴で陰部を洗いすぎないようにする
- 入浴温度をいつもより低くする
- 陰部を掻かないようにする
- 爪は短くしておく(掻いてしまった時にダメージが少ない)
- デリケートゾーン周りの通気性を良くする
- デリケートゾーンを清潔にした後で保湿する
- 肌に合った生理用品を使用する
- タンポンや月経カップを試してみる
- 婦人科や皮ふ科を受診する
「かぶれ」や「かゆみ」が起こる前に出来る【予防法】
- 強い水圧で陰部を洗浄しないようにする
- 強いストレスを感じたらリラックスできる時間をとる
- ナプキンをこまめに交換し、ムレ状態を回避する
- 月経中はストッキングやガードルなど通気性の悪いものを身につけないようにする
- 入浴時には経血を優しく洗い流す
- 肌に合った生理用品を使用する
- タンポンや月経カップを試してみる
- 入浴後は陰部に保湿クリームを使用する
体調管理から見直す改善方法も
からだの抵抗力が低下していると、生理期間中は特に肌トラブルが起きやすくなります。たんぱく質やビタミン、ミネラルなど、バランスの良い食事と睡眠時間を心がけることも、トラブルを回避するにはとても重要なことです。
- まとめ
- 誰もが憂鬱になりがちな生理期間。
普段の習慣を見直して、デリケートゾーンをいたわってあげましょう。
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クリニックに相談
「これって私だけ?」不安な人は専門医に話を聞いてもらいましょう。
あなたの味方になってくれますよ。
[コラム監修]
二宮典子 先生
NINOMIYA LADIES CLINIC 院長。
泌尿器科専門医・指導医。漢方専門医。女性泌尿器科医として、女性の排尿や生殖(セックス)にまつわる様々なトラブルの治療・サポートを行っている。